やっぱ、北海道~(第16回)

(続き) 後方の列車を切り離し、留萌駅を12時15分発。ここから先が廃止区間である。 運転席の後ろのブラインドが下ろされて前方の景色は見えない。列車は、徐々に左カーブし、段丘をくぐると右手に日本海が広がるようになる。風は強くないが、何かに怒って…

やっぱ、北海道~(第15回)

ⅴ.増毛駅 増毛(ましけ)駅は、ローカル線終着駅の風格を最後まで大事にしていたいい駅だった。 が、2016年12月5日に留萌本線の先端の留萌―増毛間16.7キロが廃止され、同時に増毛駅も廃止された(その後、駅舎を地元が保管管理することとなったのは嬉しいこ…

やっぱ、北海道~(第14回)

(続き) 南大夕張鉄道の列車はすべてディーゼル機関車が客車をけん引するタイプだった。 その客車には二つの大きな特徴があった。一つは、客車内にダルマストーブがついていた。津軽鉄道と同じようなストーブだった。ただし、一両が長いため、前後二箇所に…

やっぱ、北海道~(第13回)

ⅳ.三菱大夕張鉄道(清水沢―南大夕張) 北海道は、明治時代に鉄道で開拓された未開の土地であった。 幸運なことに北海道には、石炭が豊富に埋蔵されていたので、それを採掘し、それが文明開化の時期の産業の勃興を促し、明治の日本全体の近代化を牽引した。 …

やっぱ、北海道~(第12回)

(続き) 追分駅の島式ホームの向かい側3番線に、室蘭本線の1両の岩見沢行が入線してくる。 また、右手駅舎側1番線には、特急スーパーとかちが5両編成で停車し、気ぜわしく出ていく。追分は接続駅であり、過去の列車が停車できるように長大なホームであるが…

やっぱ、北海道~(第11回)

ⅲ. 夕張駅 炭鉱線の駅には一種独特の雰囲気が存在した。 2018年にもなると、炭鉱とはそもそも何かということになるが、高度成長期の日本の昭和40年代(1960年代)、北海道と九州に炭鉱が生きていた。そして、数か月に一度は必ず、炭鉱での落盤事故が起こり、…

やっぱ、北海道~(第10回)

(続き) その先の金華(かねはな)駅も昨年(2016年)3月26日に廃止になったため、島式ホームにあるべき駅標がなくなっている。ただし、かろうじてここが列車のすれ違い場所としては、必要なようで、すれ違い設備が残っているようである。 留辺蘂(るべしべ…

やっぱ、北海道~(第9回)

(続き) それと、常紋トンネルを抜けたところにあるスイッチバックの常紋信号所であるが、それもこの3月4日に廃止の予定になっている。 しかも、2016年11月の会社側の説明では、石北本線全体が、「今後継続して運営を維持できない路線」になっているので、…

やっぱ、北海道~(第8回)

ⅱ.石北本線 石北本線は新旭川と網走を結ぶ234キロの長大な路線で、北海道の中では、根室本線(443.8キロ)、函館本線(423.1キロ)と宗谷本線(259.4キロ)に次ぐ。特急列車も走る。 自分はこれまで3度ほど乗車しているが、正直、この線を余り真面目に乗車…

やっぱ、北海道~(第7回:「北海道の鉄道の魅力」からタイトル変更)

(前回の続き) 翌日は、5時38分北見滝ノ上始発の列車(一両編成)で同じところを折り返す。寝過ごすことが怖くて、3時、4時、5時前に目覚める。石油ストーブをつけっぱなしで寝ると酸欠にならないか心配になり、消して寝たらすさまじく冷え込んできた。ただ…

やっぱ、北海道~(第6回:「北海道の鉄道の魅力」からタイトル変更)

(前回の続き) この日最後に乗った渚滑線は、結局一度切りの乗車であり、夕闇の中を下り列車で走り、終点で宿泊の後、夜明け前ごろに上り乗車で往復するという不出来な計画で乗車した線だった(自分の乗りつぶしの『乗車』の定義では、「車窓が見える明かる…

北海道の鉄道の魅力(第5回)

以下は、1985年2月の乗車のメモから。 興浜北線は、天北線浜頓別駅11時45分発の1両のベンガラ朱色のディーゼルカーである。乗車率は40パーセント程と意外に良い。鉄道趣味らしい若者の集団と買い物帰りのような地元おばさん達である。 次駅の豊牛の手前で、…

北海道の鉄道の魅力(第4回)

北海道超ローカル線5線への旅は、1985年2月6日(水)上野19時50分発の東北線経由の電車(3段式)型(583系)の寝台特急ゆうづる1号で、出発。青森に翌朝の5時3分着。5時25分発の青函連絡船の摩周丸に乗り継ぎ、9時15分に函館に到着。その先は特急おおぞら5号…

北海道の鉄道の魅力(第3回)

1.失はれた鉄路ⅰ.名寄本線・渚滑線・興浜南線・興浜北線・勇網線 年が明けて、1月下旬から2月の本格的な冬の寒さの到来とともに、北海道から流氷のニュースが届く。 それを聞くと流氷を見に行きたくなる。流氷は接岸してしまえば、単なる無秩序な大きな氷…

北海道の鉄道の魅力(第2回)

(続き) 同様の状況は、他の地域のJR(例えば、JR四国)でもありうると想像でき、日本の交通網の中で、地方の列車ダイヤの維持自体がますます危うい状況になっていくことだろう。 文明開化の象徴の一つとして、1872年(明治5年)に日本で鉄道が走り出し、約…

北海道の鉄道の魅力(第1回)

2016年3月16日ついに、北海道新幹線が開通した。 1982年6月に開通した東北新幹線が、約34年かけて北海道につながった。まことに慶賀の至りである。 一方、同日で1970年代から北海道を走り続けていたキハ40系というディーゼル車両の寿命が尽き、代車が捻出で…

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