仙石東北ラインで忘れものを受け取る

2011年3月11日の東日本大震災を、自分は都内のオフィスで体験し怖い思いをした。 しかしながら、何とか帰宅して夜中に見た東北を中心とする太平洋岸津波に押し寄せた津波のテレビ画像ははるかに筆舌に尽くしがたい惨状だった。今年(2021年)で65歳になるが…

夏の大人の休日俱楽部乗り放題切符の旅2021(その2:6月30日前半)

久しぶりに鉄道に乗るために朝5時前に起きて支度する。忘れていたウキウキ感がある。 最初に乗る電車は6時24分三ッ沢上町発の横浜市営地下鉄。平日の水曜日なので、電車はすでに通勤・通学客で程よく混んでいた。横浜駅でJRに乗り換える。東海道線の上り電車…

夏の大人の休日俱楽部乗り放題切符の旅2021(その1)

50歳以上の男女が入会できるJR東日本の『大人の休日俱楽部』は、年に何回か期間と発売枚数限定でそのメンバー向けにお得な乗り放題切符「大人の休日俱楽部パス」を売り出す。 北海道までの乗り放題の切符も選べるが、今回は4日間東日本を乗り回せる「大人の…

のと鉄道輪島線跡探訪

自分がいないと石川県の実家が空き家になるので、たまに横浜から出かけ数日実家で過ごしている。コロナだろうが、ガラガラの北陸新幹線で往復するだけなので関係ない。 石川に生まれ育ってはいるが実家が金沢の近くのせいか余り能登のことは知らないというの…

北海道の駅たちよ、さようなら-2021年3月のダイヤ改正-

前回のブログ更新からもう半年が過ぎようとしている。 ブログのことを忘れているわけではない。 世間でのコロナの第三波は強烈で、再び新規感染者が急増した11の都府県では再び緊急事態宣言が2021年1月14日に出され、実家のある石川県と自宅のある神奈川県を…

士幌線と十勝三股駅の思い出

本日2020年9月24日のNHKBS放送3チャンネルの火野正平の自転車旅番組「こころ旅」で、北海道で1987年3月に廃止された国鉄士幌線の終着駅十勝三股駅を自転車で訪ねるという。 本稿はその本放送が始まる19時の前に書いている。 この自分のブログは北海道の鉄道…

札幌のループ線に乗ろう

今回は、札幌の市内電車について書いてみよう。 日本の路面電車は、全国南は鹿児島から北の札幌まで主要都市19で路線が残っているが、1950年~1960年代の最盛期と比べれば、19というのはかろうじて生き残っているという印象である。 札幌の路線も東西南北に…

客車列車にもう一度(つづき)

(前項のつづき) 九州では、筑豊本線の原田(はるだ)と桂川を結ぶ箇所と、廃止直前に乗った室木線(遠賀川-室木)にディーゼル機関車が引く客車列車が走っていた。原田から出る客車を牽引する筑豊本線のディーゼル機関車は、DD51という大型で、それが0番…

客車列車にもう一度

無くなったけど、もう一度乗せてあげるというサービス精神が旺盛な鉄道会社があったら、まず乗りたいのが客車列車である。客車列車はそれだけでは動かない。それをけん引する機関車が必要になる。最近は、客車車両もそれをけん引する機関車も激減し、寂しい…

JR和田岬線

北海道の鉄道から一旦離れて、少し思い出鉄道について書いてみたい。 JR和田岬線は、JR線の中で短さではナンバーワンの全長2.7キロの山陽本線の支線である。神戸の兵庫駅の海側にその専用地上ホームがあり、和田岬駅までを超低速で走る。途中駅はない。 この…

函館の路面電車には坂道が似合う

廃線になってしまったローカル線の記憶ばかり書いていてもなんとなく気が滅入るので、今も走っている北海道の鉄道のことを書こうと思う。 今回は路面電車に注目してみる。 路面電車は全国で31残っていて、北海道には函館と札幌の2都市に残っている。札幌市交…

北海道の硬券の入場券で語る鉄道趣味

鉄道の旅で、周辺の景色や名物の絵が入った鉄道スタンプと硬券の入場券には必ず手を出す。 硬券の入場券は、切符の自動販売機が導入されてから、絶滅の一途をたどっている。何かの記念イベントで発作的に発売されることがある程度である。 硬券の入場券は、…

カモメ飛ぶ 江差線

北海道の海に伸びる鉄道には、カモメが飛ぶ姿が似合う。 江差線は線区としては、函館のとなり駅の五稜郭から西に進み木古内(きこない)を経由し北西に延びて江差を終着とする79.9キロのローカル線であった。列車はすべて函館が始発であった。木古内と江差の…

日高本線と富内線のモンゼツ旅の記録(その4)

(前項のつづき) さて、2017年の日高本線再訪の旅の記録を書くとしよう。今度は一人旅だった。 今回(2017年2月15日)もえりも岬そばの宿に宿泊したが、前の宿とは違う工事関係者が長期滞在するような労働者の汗臭い感じの宿だった。出てくる食べ物も質より…

日高本線と富内線のモンゼツ旅の記録(その3)

(前項のつづき) 【日高本線の旅の記録】 初回の列車旅と、不通になった後の代行バスで巡る2回目の日高本線の旅の記録を一緒に書こうと思ったが、書いているうちに長くなっているので、まずは昭和60(1985)年11月10日に様似から苫小牧まで初乗した記録を。…

日高本線と富内線のモンゼツ旅の記録(その2)

(前項のつづき) 【富内線の最初で最後の乗車記録】 昭和60(1985)年9月29日(日)の早朝に埼玉県与野市(現さいたま市)の自宅を出て、京浜東北線とモノレールで羽田空港に向かいANAの札幌行き始発で千歳空港に9時過ぎに到着。苫小牧11時23分発の富内線日…

日高本線と富内線のモンゼツ旅の記録(その1)

日高本線は、思いを遂げることなく、まもなく大部分が消滅する運命にある。 本線は、北海道の日高山脈の西南の太平洋沿いを苫小牧から様似(さまに)に至る全長146.5キロの長大なローカル線である。東海道線ならば、東京から東へ静岡県の吉原あたりまでの距離…

田原町駅での福井鉄道とえちぜん鉄道の渡り線乗車(その2)

(前項のつづき) テープの案内がホームに流れ、9時56分ごろに3両編成の低床のモダンな赤い路面電車が入線してきた。福井鉄道の新型車両のフクラムだ。 (写真は、田原町駅の2番線ホーム。ホームの先に延びるのが“渡り線”で、その先えちぜん鉄道につながる)…

田原町駅での福井鉄道とえちぜん鉄道の渡り線乗車(その1)

富山駅の路面電車の渡り線に乗った翌週の3月30日に福井市内の路面電車の渡り線に初めて乗車した。 渡り線とは、異なる鉄道路線又は異なる鉄道会社の路線が相互に乗り入れできるようにするために敷設された短い(時には少し長い)線路区間のことである。日本…

富山地方鉄道市内軌道線と旧富山ライトレールの直通

2020年3月は新型コロナウイルス感染が世界にまん延し、その感染力の強さと有効な治療法のないために世界中が震撼し始めた。 その感染拡大が騒がれているさなかの3月21日にJR富山駅の下の新しい渡り線に電車が走るようになった。 富山駅は北陸新幹線が2015年…

相鉄・JR直通線 初乗車記録

北海道の鉄道記録から一旦離れて、横浜自宅近くに開業した新線乗車記録を綴ってみました。 2019年の鉄道関係の一番の話題は台風19号による千曲川氾濫の影響で北陸新幹線車両10編成(120両)が車両基地で浸水してその車両すべてが廃車になったことだろう。こ…

やっぱ、北海道~(第23回)

新十津川駅と札沼線 札沼(さっしょう)線の新十津川駅は、駅舎は、おとぎ話に出てくるようなほのぼのとした木造の1軒屋ではあるけれど、終着駅としての存在感がない不思議な駅である。札沼線という線そのものも不思議な線で、その名の通り、札幌と留萌本線…

バンドメンバーに見てもらう

山本貴光著『投壜通信』(本の雑誌社刊)は、本にまつわる著者の関心事をひとつひとつ丁寧に綴った読み手のある新刊だ。 その中の一章に、本づくりがバンド活動のようだとある。編集者やその他のヒト達の協力があって本が出来て世に出て行くことを謙虚な視線…

やっぱ、北海道~(第22回)

viii. 広尾線の今むかし 帯広は、深呼吸したくなるような大らかなまちである。 十勝川とのその支流沿いに広がる平野は、北海道の中でも有数の広くて肥沃な北の大地であり、帯広はその中心都市だ。 ここに1980年代半ばまで、北の大雪山連峰に向かう士幌線と、…

やっぱ、北海道~(第21回)

(続き) 乗車したこの根室行きのディーゼルカーの運転席脇にはオープンなデッキスペースがあり、そこから前方の景色が見放題という特等席になっていた。 釧路から一時間半以上じっと座っていたので、筋肉を伸ばして気分転換を兼ね、そこに立って前方を注視…

やっぱ、北海道~(第20回)

vii. 根室本線(鹿、鹿、鹿) 北海道の鉄道で近年特に話題となっているのは、鹿の被害である。 最初の鹿の被害を初めて見たのは、知床半島にある宇登呂灯台への遊歩道を歩いた際に、周囲の白樺などの木々が、腰の高さで皮が剥がされ、多くが枯れていた。聞け…

やっぱ、北海道~(第19回)

(続き) 列車は西に向かい、やがて天塩川を渡る。西名寄駅は右片ホーム。小さな納屋のような駅舎があり、左側には側線あとと思しき空き地がある。ここで、列車交換をすることもあったのだろう。周囲は水田地帯。 天塩弥生も右片ホーム。西名寄よりは少しサ…

やっぱ、北海道~(第18回)

vi. 深名(しんめい)線 深名線は、1995年9月4日に廃止された。深名線なんてシンメイ(知るめい)というヒトの方が多いだろう。本ブログで初めて写真を添付する。JTBの1989年8月の時刻表中の地図である。 深名線は函館本線深川駅と宗谷本線名寄駅をL字クラン…

やっぱ、北海道~(第17回)

(前回の続き) 今回は、自分にしては珍しく、この鉄道の終点の町増毛で観光し1泊する。 鉄道がなくなっても、町自体が同時に消えるわけでもないが、北海道のこの町に車やバスでやってくることが今後確率的にないだろうなという予感があり、また、ここは北前…

番外編:平成30年北海道胆振東部地震に関連して

平成30年は何でもありの年なのだろうか。 2月の北陸の大雪に始まり、中国地方の洪水、40度越えの酷暑、台風21号直撃による関空の浸水の後は、北海道の震災である。 この震災で一躍有名になった厚真町。日高本線に浜厚真という駅があるが、2017年2月15日に通…