北海道の駅たちよ、さようなら-2021年3月のダイヤ改正-

 前回のブログ更新からもう半年が過ぎようとしている。

 ブログのことを忘れているわけではない。

 世間でのコロナの第三波は強烈で、再び新規感染者が急増した11の都府県では再び緊急事態宣言が2021年1月14日に出され、実家のある石川県と自宅のある神奈川県を往復する自分にとって不規則な生活のなかで鉄道のブログを書こうという気持ちになれなかった。

 それでも、季節は巡り年に一度のダイヤ改正の時期が2021年3月にやってきた。

 そして3月末には、JR北海道日高本線の様似-鵡川間がついに廃止される。高潮でこの区間が不通になったのが2015年1月だったので息苦しく重苦しい6年間だった。ただ、高潮がなかったとしても、乗客減で赤字が累積しており116キロという長距離の区間でもあったのでJR北海道も重い荷物を漸く降ろすことができてほっとしているかもしれない。

 が、いったん廃止になれば、天気が良ければ青い海沿いに列車が走る光景と線路の響きを聴くことはできなくなる。また、そこに住む人たちの残念で将来の不安は如何ばかりか。

 明日3月13日のダイヤ改正ではJR北海道の18駅*が廃止となる。

 函館本線伊納駅のみが旭川駅の手前で、それ以外の宗谷本線、石北本線釧網本線の廃止駅は旭川駅の東側又は北側の過疎が進んでいる地域である。住むヒトがいなくなり駅が消えていく。これはこれで仕方がないことである。

f:id:Noriire23:20210312102250j:plain

(2020年11月の時刻表:2021年3月13日に廃止なる駅をピンクで数えた)

 廃止の前に一度訪ねてみたいと思い時刻表と羽田-旭川間などの航空便の運航状況を調べてみた。が、極端に不便になっていた。旭川に行く便は全日空便(AirDoが代行)3便と日本航空で4便の計7便だったのが、AirDo2便JAL2便となっていた。それに加えて、もし宗谷本線を乗って稚内駅到着後稚内空港から羽田に戻ろうとしても、唯一の全日空便が運航を取りやめていた。コロナ感染拡大の影響で乗客が減っていることもあろうが、稚内は列車、バスか車でしか行けない場所になっていた。

 できたらその駅に一度降りることができればと思ったが、時刻表を見れば、石北本線や宗谷本線の列車ダイヤは特急主体になっていて各駅停車が止まる廃止駅で降りてしまうと立ち往生することが明らかで、もう降りてもらわなくてもいいからという駅の声が聞こえてきそうだった。また、廃止になる駅をこの目で見るために猛スピードで駆け抜ける特急列車に乗っても瞬間のことになるだけなので満足できないだろう。

 全国のJR駅4636駅(2004年当時)にすべて下車した横見浩彦氏ができたような下り列車と下り列車をジグザグに往復してたくさんの駅に降りて旅することは、もう北海道ではできない。できたとしても気が遠くなるような日数がかかるだろう。九州の日豊本線の大分と宮崎の県境近くの駅に降り立つことも難しくなっていて、今後地方で同じような傾向が出てくることだろう。

 2月下旬に出た3月13日以降のダイヤ改正の時刻表では北海道の廃止になる駅は、地図からも時刻表のページからも消えていた。

f:id:Noriire23:20210312102006j:plain

(左:2021年3月の時刻表、右:2020年11月の時刻表)

 *消える18駅

函館本線:伊納、宗谷本線:南比布、北比布、東六線、北剣淵、下士別、北星、南美深、紋穂内、豊清水、安牛、上幌延、徳満、石北本線北日ノ出、将軍山、東雲、生野、釧網本線:南斜里

 

(この項おわり)