北海道の硬券の入場券で語る鉄道趣味

 鉄道の旅で、周辺の景色や名物の絵が入った鉄道スタンプと硬券の入場券には必ず手を出す。
 硬券の入場券は、切符の自動販売機が導入されてから、絶滅の一途をたどっている。何かの記念イベントで発作的に発売されることがある程度である。
 硬券の入場券は、縦2.5センチ、横5.7センチの小さな紙片であるが、ペラペラの紙でなくしっかりとした厚紙になっている。そこに活版印刷らしい活字がぐっと紙に押し込まれ駅名が大きく表示されている。昔は、「高輪ゲートウェイ」みたいに長い駅名の駅はなく、潔い駅名だったので、硬券の入場券も潔い顔つきをしている。
 通常、切符の券面のバックには偽造防止のためか、細かな鉄道会社のロゴなどがピンクや水色などで薄く印刷されているが、硬券入場券にはその小細工はなく、白くなっているので余計に潔癖に見える。
 昔は改札を抜ける時に切符にハサミを入れるのがルールであった。客が差しだす切符を神業のごとく次から次にハサミを入れる駅員が都会の駅の改札には必ずいたものだ。そのハサミを入れた後が駅によって異なったり、時間によって異なったりした。入場券を買った後に「ハサミ入れますか?」と聞かれることがあり、自分はハサミ入れない主義で、買える駅で買い集めた。

 ローカル線は通常単線なので、駅で列車の行き違いが時に起こる。そこでできた待ち時間にソレーっと改札口に切符を買い求めるマニアと駆けっこをしたものだ。ただし、列車に乗るのが主目的なので、入場券を買うために列車を降りたりはしたことがなかったが、長年買い求めているとそれなりに溜まってくる。今も薬が入っていた缶に、かさばらないように並べるようにしてためている。
 入場券には日付が入るのでいつ乗ったかの記念になり、150円程度なので財布も傷まない。
 切符マニアではないので詳しくはないが、JRに分割される前でも、北海道、本州、四国、九州で、国鉄の入場券の記載の位置が多少異なっていた。また四国などは特有の字体を使っていて特徴があった。
 今でも、その土地に行った記念にどうしても欲しい時には自動販売機の印字の薄い紙の入場券を買うことがあるので、その缶は現役で役に立っている。
 手元にある北海道の硬券の入場券で主に路線の終点の切符を、地理的位置を少し意識して並べてみた。
 25枚の切符のうち、現存している駅は稚内根室と様似であり、様似はまもなく廃止になる。

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(この項おわり)